医学部ムラでの恋愛がしんどい話⑴

多くの医学部生、特に単科大学の医学部生は、普段密接に接しているのが同じ医学部内の学生ばかりだ。そのためか学部内で恋愛をする人がとても多い。学年をまたいだカップルも多いが、割合的に一番多いのは同学年(つまりクラス内)カップルだ。
※看護科併設の場合は看護学生と医学科生という組み合わせももちろん多い

クラス内カップルの数は低学年のうちが一番多く、皆がそれぞれの卒後の進路のことを考え始める時期になってくると、出身地の異なるカップルを始めとして徐々に別れ、漸減していく傾向にある。
しかし、高学年になっても何を思ったか見飽きたメンツからお相手を見つけ出して付き合い始めるカップルも居る。そんなクラス内恋愛沙汰は常にみんなの噂の的になる。そのクラス内であれば誰もが男側も女側も知っているから、ゴシップネタとしては身近で話題性満点、それはそれは面白いというわけなのだ。

そういう私も、他人事であるクラス内ゴシップネタに面白がって乗っかりつづけてきたのは否定できない。
美男美女カップルが別れた話、彼女を部活内で略奪されそうになった男子(バトミントン部)が試合で決着をつけた話、クラスのイケてない男子がナンパ師になった話、盛りのついたカップルがアクロバットプレイをして床が抜けた話…、女子グループLINEでは新作の話題が秒速で共有されるシステムが出来上がっている。

しかしながら、学内恋愛(特に学年内での恋愛)は窮屈だから絶対にしないと決めている私は、自分は噂の渦中に入ることはないため平穏なゴシップライフを過ごしていた。
…と思っていたのだが、そうも言っていられない出来事が起きてしまった。
面倒くさい出来事が嫌いな私、噂するのは好きだけどされるのは大嫌いな私、めずらしくピンチ。