ポコっとしたあいつ⑵

前回、悲しいながらも特に面白くもない流れでミッションインコンプリートした私。

通っている大学の皮膚科で切ってもらうのは色々と嫌だったので、皮膚科と形成外科の両方を標榜している病院に行くことにした。

何度も通うの面倒だなぁと思いながらも待合室に並び、通されたのはお爺ちゃん院長の診察室だった。
このお爺ちゃん院長、大した自信で「君はいい病院選んだよ、ここはこの辺で1番綺麗に治すから」と、おっしゃる。
なんの根拠が…と思いつつも、自信のない医師に治療されるよりも胸を張ってる方に診てもらうほうが安心できるなぁと患者目線になると思うもので、私も医師になったら(実力はともあれ)不安そうな態度だけはとるまいと学ばされた。

いただけなかったのは、経歴を根掘り葉ほり聞かれ、近隣の医大生だと言わざるを得なくなったこと…。イチ患者として診てほしいタイプなので、苦笑せざるを得なかった。おしゃべりお爺ちゃん先生には閉口させられることが本当に多いのは、町医者でも大学病院の医者でも変わらないのである。
更に最悪なことに、大学病院の医師(=顔見知りの先生)が週に一回バイトに来ているとのことで、あと1日ずれていたら大学病院を外した意味を失うところだったと判明。狭き医師の世界に肝を冷やしつつ診察を受けるわたしであった。

診察の結果、外観上はやはり粉瘤疑いとのことだった。(※確定診断は、切除したものを病理診断=組織を顕微鏡で見て診断する に提出してからわかる。ここでは確定的なことはどんな名医でも言えないのです)
大学病院ではあまりないことなのだが、その日そのままオペできるよと言われてしまい、手間が省けて嬉しいものの、わたし、心の準備ができていないんですけど………(焦)

結局、有無を言わさずあれよと言う間に血液検査され、尿検査を提出し、20分後には手術台に座らされていた。

準備が整った頃に先生が現れた。
なんだか若返ったように見える先生。髪も黒くて、背が高くなってる!これって手術室マジック?

…って、外来のお爺ちゃん先生と違うじゃん、若い医師じゃん\(^o^)/
お爺ちゃん先生、ここらで1番手術上手いって言ったじゃん、責任もって切るんじゃないんかい\(^o^)/

心の中で突っ込みながら、局所麻酔を打たれ、後頭部をチョキチョキグリグリゴリゴリじゅーじゅーチクチクされ、無事粉瘤は摘出されました。
(後日の病理の結果も問題なく良性)

痛みは…、なんと、親知らず抜歯のほうが10倍くらい痛く、術後も大して動かさない場所なので、飲む痛み止めも余る有様。

そういうわけで特にオチはないけれど、粉瘤がなんとなく気になるな〜という方に、小さい手術ってこんな感じですよと周知になれば幸いです。とにかく、早めの摘出をお勧めする。放置すると大きくなるだけでなく、周囲の組織との癒着が進み、摘出しづらくなることをここに記して、粉瘤事件を締めようと思う。

オペしてくれた若い先生は結構イケメンだったので、顔を忘れられたころにツテをたどってご飯をご一緒する計画である♡

今後、親知らず抜歯事件・ヒルドイド軟膏とは・医学部恋愛事情といったテーマでブログ執筆を予定しています。